昭和47年1月初めの新聞に、倒産した愛知県下のある中小企業の経営者が、他人所有の土地、家屋権利書、印鑑などを奪う目的で所有者とその家族2人を殺し、死体をコンクート詰めにして証拠額滅をはかったという衝撃的事件が載って話題を集めた。また、翌2月には同じ愛知県下で、住宅ローンを利用してマイホームを建てた小学校の教師夫婦が、毎月7万円にものぼるローンの返済金をめぐって家族同士でいさかいを起し、36歳の教師が奥さんとその母親を撲り殺すという事件も起った。
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この2つの事件は現象的には似て非なる性格をもつものであるが因果関係をたぐっていくとその根底に、解決策を失ったまま放置されている現代社会の病患、地価高騰現象がはっきりと浮び上がってくる。これまでの土地にまつわる犯罪といえば、昭和30年代の後半から跳梁しはじめた地面師(宅地売買などにからんで、他人所有の土地を自分の土地にみせかけ、第3者に売り渡す詐欺師の手口、あるいは分譲地のインチキ販売、誇大広告などが通例だった。