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経済システムと土地所有権

2011.09.30

明治時代になり、すべての生産物と並んで生産要素も商品化されていきます。生産要素の商品化によって、伝統的な生産共同体(農村・株仲間)に代わり、契約関係の下での「企業」「会社」が生産の主体になります。生産物と同じように生産要素も自由に取引されるようになり、統一的な国内市場が形成されていきました。そして有効活用が進みます。しかし、「富国強兵」、「殖産興業」の国策もあって、国民経済は急速に発展しましたが、一方で鉱害問題や、農村から出てきた女子労働者か劣悪な環境で酷使されるなどの社会問題も生じました。「士農工商」の身分制度か取り払われたとともに、土地(農地)の所有・利用に関しても、「重畳的な所有関係」が解消されます。1つの物(一筆の土地)には、1つの絶対的な権利(所有権)があって、それは原則として一人の人間(所有権者)に属するという、「一物・一権・一人」の近代的な所有関係に整理されていったのです。このような近代的な所有権というのは同時に、物を「商品」として売買するための「商品所有権」でもあります。「一物・一権・一人」の近代的な所有関係の下では、ある物を売買するのに、一人の人間から「所有権」を買い取りさえすれば、基本的にはすべてが片づきます。また、商品所有権の本質である市場価値も、このような自由な売買の下で実現します。明治維新によって、すべての土地が自由に売買できる「商品」となり、地券の交付によって土地の「所有権者」が確定しました。この段階で「土地をどう国民の間に分けるのか?」という問題に一応の区切りができ、土地所有権の「ルーツ」が定まったといってよいでしょう。

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