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同居住宅を建てようとする父親の顔

2011.10.21

問題にしたいのは、父親の顔である。私はいつも同居住宅を建てようとする父親の顔をとくべつな感慨をもってながめてしまう。というのは、沈黙型であれ、うるさがたであれ、彼らの顔にはある共通した表情があるからだ。「長年、がんばって働き、家族を守ってきたけれど、ようやく息子も1人前になり、同居するために帰ってきてくれた。これで安心だ。責任は果たした」なんだか、そんなセリフまで聞こえてきそうな表情をしている。まさか「これで安心して死ねる」とまでは思っていないのだろうが、たしかに同居住宅を建てると安心して気が抜けるのか、1、2年で亡くなってしまう父親も多い。

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そんなとき、遺族は案外、晴れ晴れとしているものだ。「○○さん、よかったですよ。最後の1年だけだったけど、新しくて快適な家で暮らさせてやることができました。父は喜んで亡くなりました」しかし、私の感慨は、ますます深まってしまうのだ。家を建てて、息子と同居して、自分は1年で死んでしまう。うるさがたオヤジも、静かなオヤジも、すっかり安心して死んでいく……。なんだか動物の群のボスの末路を見るようではないか。





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