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雨が降っても心配しなくてすむ

2011.10.07

「今思うと、少し凝り過ぎました」家の外観、間取りなど、デザイナーとしての才能が随所にうかがえる。設計や準備に4ヵ月かかり、9月には基礎工事に入った。最も大変な時期だった。特に、土台づくりのための穴掘りは重労働だった。全長75メートル、幅50センチメートル、深さ50センチメートルの穴を掘る作業だ。土地は地盤が固くて、朝から晩までまる1日掘り続けても、2メートルから3メートルしか進まなかった。「土曜、日曜だけで掘っていたら、全部掘り終わるのはいったいいつになるんだろう。1日の作業が終わると、これから掘らなければならない部分のあまりの量に、何度も途方にくれました」奥さんの協力も得て基礎工事が終わったのは、穴を掘り出してから7ヵ月後のことだった。建材を使っての家づくりがやっと始まる。Hさんは、素人でもできたのはツーバイフォーエ法だったからだと言う。在来工法は、何種類もの建材を使って柱や屋根など骨組みをつくり、屋根瓦を載せ、壁を塗る、という順序で家を建てていく。それに対してツーバイフォー工法は、床用、壁用、屋根用の3種類の建材しかない。それらを必要な長さに切って、床、壁、屋根の順で家を組み立てていく。在来工法にくらべてずっと簡単だ。ところがツーバイフォー工法には在来工法にない悩みがある。屋根ができる前に雨が降ったりすると、床や壁の内側が濡れてしまう。それを防ぐために、作業が終わるとテントをかけておくのだが、週末だけの作業では不安だった。平日に雨が降ると、建築中の家のことが心配で、土曜日が来るのを首を長くして待っていた。「雨の降った日の週末にあわてて現場にかけつけてみると、テントが雨水で金魚鉢のように大きくふくらんでいたことがありました。あの時は女房と2人で必死にバケツで水を汲み出しました」屋根が出来上がった時は、思わずバンザイと叫んだ。もうこれで雨が降っても心配しなくてすむ。

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