日本の水道事業は水源での採水から家庭の蛇口への給水まで公営独占企業で行われているので、利用者の側から給水の質を選択することができない。日本の水道水の大部分は、大量の薬品を利用して河川水を一気に浄化してしまう急速濾過であり、塩素やトリハロメタンなどの薬品が残留していて、おいしくない(それでも東京都の水の味は大阪の水よりはましだという説がある)。これはヨーロッパ、とくにイタリアの水道資源が地下水や湧き水が88%であり、湖沼、河川などの表面水が11%に過ぎないのと対照的である。
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他のヨーロッパ諸国もだいたいこれに倣っているし、イギリスでは取水井戸の周辺、半径500メートルの土地を保護地域として買収し建物や開発行為を禁じている。またイギリスでは河川などの表流水の利用率が高いが、薬品の投入を極力抑え、細菌などの分解作用を利用して浄化する緩速濾過を義務づけている。これに対し薬品投入中心の急速濾過を行う日本は水については後進国である。だから自然の湧き水をペットボトル詰めにした水が売れ、いわゆる“ウォーター・ビジネス”は繁栄の一途をたどっている。しかしこれらのペットボトル入天然水の価格は水道水の数十倍である。